成長戦略(産業政策)
ジェトロ・アジア経済研究所
朽木昭文
(1)課題の定義
開発は、経済成長をGDP(国内総生産)で測った伸び率でその一面を示すことが多い。政府は、経済成長を高めるためにどのような成長戦略を採るか、また採らざるべきかという問題がある。成長戦略は、以前は工業化が通常であった。近年は、必ずしも工業化だけではなく、インドなどでのソフト産業による成長の場合も見られる。また、農業政策、農村工業化なども考えられる。工業化の戦略の1つとしてこれまで議論されてきたのは、産業政策である。産業政策の典型例は、特に戦後日本で採られた。石炭、鉄鋼産業に政府が介入することにより資源を重点的に配分し、これらの産業を育成することを目指した。工業化による成長では、輸出指向工業化戦略が1980年代、90年代にアジアで成功した。輸入代替政策による産業政策もある。たとえば、繊維製品を輸入している場合に高関税により輸入を抑制し、自国の産業を保護し、育成する政策である。近年は、ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)の達成のために貧困削減戦略の議論が中心にある。貧困削減戦略で十分に議論されていない点の1つが成長戦略である。
(2)歴史的背景
産業政策は、韓国では1970年代に重化学工業、マレーシアでは自動車、鉄鋼、石油化学、セメント産業、インドネシアでは航空機産業、中国では自動車産業などの育成政策として採用された。産業政策は、政府が介入して資源配分を変えるために、企業に補助金を出し、税制を優遇することにより産業を育成する。アメリカなどの市場競争を重視する国では、これは基本的に望ましくないとされてきた。政府の役割は、企業が競争できる環境を整えることである。しかし、アジアでは産業政策が評価された。1990年頃には日本経済やアジア経済が絶好調であり、その理由はアジアの産業政策が有効であるからではないかと考えられた。日本の産業政策は、ソ連崩壊後のロシア経済改革の政策支援として提案された。
ところが、1997年のアジア危機でマレーシア、韓国などが経済危機に陥るとアジアでも産業政策が見直された。また、1990年代からの日本の長期的な経済停滞も産業政策の見直しを迫った。たとえば、中国なども国際競争を強調するようになり、2001年には国内企業の国際競争力を高める目的もあり、WTOに加盟した。
(3)理論面からの考察
経済理論では、自由競争をすることが経済全体の最も効率的な状態をもたらすことが証明されている。パレート最適とは、資源配分がもっとも効率的な状態であり、誰かを不利にすること無しには誰も良くならない状態と定義されている。この最適は、競争によって達成できることが証明されている。この状態において、政府が市場に介入することで市場での資源配分を変えることは効率の観点から望ましくない。
しかしながら、市場の失敗がある場合には、政府が介入することが望ましい。市場の失敗とは、市場を競争状態におくとパレート最適を達成できないことである。経済学で、産業政策は、動学的な効率の状態を達成するうえで競争によって達成できない場合に有効であることが示されている。つまり、今期にある産業を保護すれば次期にその産業が競争力を持つようになり、利益を生む。競争力を得た産業の今期の保護費用よりは次期の利益の方が大きくなる産業がある。もっとも、政府がそのような産業を重点産業として選ぶことが難しいといわれる。選択する産業を間違えた場合には、資源的な損失となる。戦後日本の産業政策では、石炭産業の選択は間違いであったという分析がある。
産業クラスター政策は、成長戦略として産業政策に変わって注目を得ている(Porter、1998)。藤田とティス(2002)によれば、空間経済学1の中心的課題が、集積力形成のメカニズム、および集積とイノベーションの相互関連の解明である。後者について、Porter(1998)は、産業集積のイノベーションにおける役割を重視している。Porter(1998)は、ダイアモンド・アプローチ2によるクラスター理論3を展開し、イノベーションを集積により活発にするための方策を検討した。前者の集積形成のメカニズムについては、2種類が考えられる。1つは、何もないところから新たに産業クラスターがどのように形成されるのか、もう1つは、いくつかの均衡点がある場合にどのような条件の下でどの均衡点に産業クラスターが形成されるのか、である。後者は、数学的な均衡理論分析に適しており、都市集積の均衡分析が数多くなされている(錦見・浜口、1997)。
新しく産業クラスターが形成される条件について、朽木(2003)は、北部ベトナムの産業集積形成のメカニズムを1)工業団地と、2)インフラ整備、制度整備というキャパシティー・ビルディングの観点から説明した。ここで、アジアのクラスターが工業団地を建設し、そこに例えば日本の総合商社が日系企業を誘致することで形成された例を示した。また、3)アンカー企業の重要性を指摘した。個別の産業集積・クラスターの状況を説明した論文はこれまでにも分析されている(園部・川上、2001など)。
(4)最近の議論・論争点
東アジアの経済成長において政府の産業政策が果たした役割をStiglitzは評価する。政府が融資することによって輸出が奨励されたこと、技術・知識は外部経済性があり公共財の性格があるため、政府がこれを提供することが望ましいこと、中小企業の育成や特定産業の育成を進める際に、政府が金融市場に介入することによって産業政策を実施し成功した場合もあること、などが指摘されている。アジア危機の後に、ここまで産業政策を支持する意見を述べた学者は珍しい。
しかしながら、Yusuf(Stiglitz and Yusuf, 2001)によれば、同時に、1990年代には産業政策が有効でなくなっていった、と要約している。Jomo(第12章)、Woo-Cummings(第9章)、Lin and Yao(第4章)や、1990年代に発表された多くの研究の成果、そしてYusuf自身の調査を参照しながら、Yusufは、アジアでは1990年代に自由化が進んだと分析している。すなわち、韓国の財閥への政策金融は次第に小さくなった、タイでもインドネシアでも政策金融は経済の非効率を生んだし輸出補助金も経済成長には寄与しなかった、逆に中国では経済を自由化したことが高度成長をもたらした、と分析する。
産業政策の評価と輸出主導政策における今後の課題に関して、以下の3点を考慮すべきである。第1に、産業政策を評価する際には、世界経済における環境の変化を考慮すべきである。日本が戦後間もなく採用した外国企業から国内産業を保護するための関税政策は、1950年代においては可能であった。しかし、1980年代以降は経済のグローバル化が国際的に急速に進捗し、WTOは、先進国だけではなく途上国にも国際貿易と投資を開放するよう働きかけてきている。同時に、国際通貨基金や世界銀行など国際機関も途上国に対して貿易や投資の自由化を要求している。こうした状況においては、政府による補助金で保護されていた国際競争力が弱い途上国の企業が、多国籍企業と国際競争力を持つことが従来よりも難しくなってきている。また、途上国の政府にしても、途上国の企業に対する補助金の財政的負担が続かない。つまり、戦後間もなく採用された日本の産業政策は、国際的圧力によって現在ほとんど全ての途上国で採用することができないのである。この点に関しては、Stiglitz(第13章)は東アジアにおける経済成長において政府の産業政策が果たした役割を評価している。政府が融資したことによって輸出が奨励されたこと、技術・知識は外部経済性があり公共財的な性格もあるため、政府がこれらを提供することが望ましいこと、中小企業の育成や特定産業の育成を進める際に、政府が金融市場に介入することによって産業政策を実施することに成功した場合もあること、などを指摘している。・しかし、このような意見を近年にそのままあてはめることは無理があると思われる。
第2に、日本の産業政策は、1970年代における韓国の産業政策や1990年代における中国の産業政策とは区別すべきであると考えられる。韓国の産業政策は、外国技術や外国部品の導入により実施された。中国の産業政策では、国内の企業が外国資本の参加を受け多国籍企業から実務を学んでいる。たとえば、中国の自動車産業の育成は、重点企業を決めそれぞれの重点企業が外国の多国籍企業2社と提携して実務を習得する。つまり、グローバル化に対応した産業政策になっている。中国は、世界経済の変化に対応して産業政策の方法を変化させている。たとえば、2002年に自動車の大企業の合併政策を導入している。ただし、マレーシアにおいて、第2国民車の育成政策が継続されていることも見逃してはならない。これらを鑑みると、東アジアから産業政策がまったく消え去ったわけではない、といえる。
第3に、依然として日本や東アジアの経験から学ぶべき点はあると思われる。近年、中国は産業政策よりも、WTOへの加盟によって国際競争力を強化する方向に転換したことや、アジア危機に際して、韓国の財閥が深刻な状況に直面し、またインドネシア経済が混乱したことから、東アジアの経験から学ぶものはないという意見が世銀の中にも少なからずあった。
しかしながら、アジアの各国政府は、工業団地を中心に情報産業の集積・クラスターの形成に力を入れている。アジアでは中国の華南経済圏、上海を含む長江デルタ、タイの首都バンコク周辺、マレーシアのペナン、クアラルンプール、ジョホ−ルなどに産業クラスターができていく。情報技術の発達が、グローバル化を促進し、産業クラスターの形成を押し進める。産業クラスター政策が、成長戦略の中心となってきたことは注目に値する。
(5)主要援助機関・ドナーの政策スタンス・実績
世界銀行は、ワシントン・コンセンサスと呼ばれる自由競争を基本とする政策を支持した。1991年に世界開発報告で市場機能補完アプローチにより政府の役割を明らかにした。93年には、「東アジアの奇跡」を出版し、機能的アプローチにおいて産業政策の有効性を検討した。そこで、産業政策は、官僚が有能な場合には成功する。日本や韓国では官僚が有能であり、成功したが、他の途上国で産業政策を導入することが望ましいとは限らないと結論した。
成長戦略において経済インフラは成長の前提条件になる。経済インフラとは、道路、空港、港湾、電力、通信など工業化の基礎となるものである。近年では情報通信もこれに含まれる。ここで、インフラと成長戦略の関係を簡単に触れておきたい。世界銀行における1980年代からの構造調整政策や1995年からの貧困削減戦略においてインフラの提供は中心的な事業ではなかった。ここでいう、インフラとはエネルギー、運輸、水道などである。しかし、貧困削減戦略において2003年に大きな転換点が訪れた。貧困削減戦略では、制度などのソフト面が強調されてきたが、貧困削減を実現するための成長戦略におけるインフラの重要性が再認識された。
世界の国際機関などの援助政策は、MDGsを達成することを大きな目標の一つとして進められているが、世界銀行は、インフラを提供することを中心にその目標達成に寄与する考えである。ただし、インフラに対する考え方が次の3点で異なる。第1に、道路や空港などのインフラの建設中心ではなく、インフラに関連するサービスを提供することによってインフラの機能を高める。第2に、インフラのなかでも水、エネルギー、運輸、情報通信技術を重視する。第3に、大規模なインフラよりは小規模インフラを重視する。たとえば、高速道路よりは貧困削減につながる農村道路の建設である。
各国の援助機関は、MDGsを達成することを目標として「貧困削減戦略」を推進している。アジア開発銀行では、社会・経済開発により貧困層が参加し、便益をえるような状況を作り出すために成長、人間開発、ガバナンスをどのように協同するかを示す。ここで、成長戦略への関わりを示す。それは、強靱で、持続可能な、貧困者及び社会的弱者に優しい(pro-poor)経済成長であり、人間開発と女性の地位改善を含む社会開発である。「持続的成長」を、ほとんどの援助機関が採りあげている。世界銀行の貧困削減戦略ペーパーも、被援助国のマクロ経済、構造・社会政策、プログラムが成長と貧困削減を推進するために記述されている。ここでも、成長と貧困削減が同列に並べられている。
(6)日本の諸機関の援助、議論、問題点
日本の海外経済協力基金(現国際協力銀行)は、1992年に計画経済の国が市場経済化する場合にロシアなどに産業政策を導入することを提案した。1990年代に市場経済化を進めた国では、例えばベトナムなどが日本の産業政策の導入を検討した。アジア危機後は日本の産業政策の導入を唱える人は少なくなった。近年は、日本関係者の中には、アジアの成長経験を他の途上地域に適用することを唱える人もいる。
我が国は、ベトナム政府との政策対話、経済、社会情勢、開発計画や開発課題を踏まえ、2000年6月に5年間を目処とした具体的な案件形成の指針となる国別援助計画を作成した。以下の分野が援助の重点分野とされてきている。
(イ)人造り・制度造り(特に市場経済化支援)
(ロ)電力・運輸等の経済インフラ整備
(ハ)農業・農村開発
(ニ)教育・保健・医療
(ホ)環境
以上が我が国で考えられているが、(ロ)の電力・運輸などの経済インフラ整備に成長戦略との関連が見られる。
国際協力機構(JICA)は、多様性と共通性を有する東南アジア諸国の真のニーズを的確にとらえ、効果的、効率的、そして迅速に協力事業を実施することを第一義と考えている。農林水産業、社会開発、鉱工業といった従来の協力ニーズに加え、社会的弱者支援、環境、IT、地方分権、WTO(世界貿易機関)、財政金融、ガバナンスなど、新しい課題に対しても積極的に取り組んでいる。これにより持続的成長を目指す。
JICAは、WTO新ラウンドにおける円滑な議論を促進するために、キャパシティー・ビルディングへの支援を実施することを重要な課題としている。これは、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイに対して開始された。ガバナンスの向上は、東南アジアで共通した重要な課題である。特に地方分権化のために国ごとに地域開発や地方人材育成に協力している。また、経済政策支援として、たとえばインドネシアに対してマクロ経済運営、金融セクター改革、中小企業振興、民間投資拡大、地方分権化、民主化の6分野について政策アドバイスを実施している。
国際協力銀行(JBIC)においてもODA大網やODA中期目標政策を始めとする政府開発援助に関する基本方針・政策を踏まえて定めた海外経済協力業務実施方針において「貧困削減と経済・社会開発への支援」を重点分野の一つにあげており、経済成長による裨益効果が各階層に公平に分配されるための制度構築等に努めることに留意しながら、これまで以上に貧困対策や社会開発の側面および人材制度、政策等のソフト面での協力を重視することを定めている。そして、開発途上国の経済成長を促進すべく、その成長を下支えする経済社会インフラ整備を引き続き重点的に支援し、それを通じて貧困削減に対応していく。こうした経済成長を安定的に達成していくために必要となる中小企業を育成し、裾野産業を強化する支援を実施する。貧困層の支援として、開発途上国において多くの貧困層を抱えている農村地域でのインフラ整備(灌漑、農村道路、農村電化、上下水道施設の整備など)や小規模金融等、職業教育等、人材育成のための支援を推進する。このほかの重点分野として、環境改善・公害防止への支援、地球規模問題への対応、人材育成の支援、IT化への支援、地方開発への支援を挙げている。物的インフラへの支援、例えば電力事業の支援を実施する場合に、キャパシティー・ビルディングへの支援も併せ実施する場合がある。それは、電力公社による施設の維持・管理能力を高めるためのものである。
(7)関連文献、研究機関・研究者、ウェブサイト
- 産業政策
http://www.waseda.ac.jp/wospm/wospm-zaigaku/wospm-kamoku/wospm-kougi/wospm-kougi-03/wospm-suzumura-03.htm
主要な産業政策に関する文献を列記(鈴村興太郎教授による)。
- シンガポール産業政策
http://www.asahi-net.or.jp/~pp7j-tzk/report/no1.html
シンガポール経済、産業政策について解説。
- 中国産業政策
http://www.jcipo.org/shiryou/che.html
中国の自動車産業、その産業政策を解説。
- 産業政策
http://www.mot.t.u-tokyo.ac.jp/syllabus/industrial_policy.htm
産業政策と技術開発マネジメントに関する情報。
- 成長戦略
http://www.grips.ac.jp/forum/home.html
政策研究大学院大学の開発フォーラムにおける成長戦略関連情報がダウンロード可能。
- クラスター政策
http://www.competitiveness.org (Cluster)
クラスター実践ネットワークという副題があり、様々なクラスター関連情報。
http://www.commerce.state.wi.us/MT/MT-IndustrialClusters-whycluster.html (Cluster)
なぜクラスターが有効であるかなどを説明。
http://www.isc.hbs.edu (Cluster)
ハーバード・ビジネス・スクールのマイケル・ポーター教授によるクラスター関連情報。
- 産業政策
http://www.0085.co.jp/index.html
産業情報、産業政策、物流情報が豊富。
- 産業クラスター政策
http://www.schaferbros.com/warehouse/cross_dock.html
ジャスイン・タイムの物流であるクロスドック・ロジスティクスなどを説明。
- 産業政策
http://www.1ban.co.jp
企業情報、産業情報などが豊富。
http://www.investorwords.com
投資に関係する日本のケイレツ、韓国のチャボル(財閥)などを解説。
- 国際協力銀行
http://www.jbic.go.jp/japanese/base/about/mission/index.php
国際協力銀行の援助に関係する成長戦略を提示。
- 国際協力機構
http://www.jica.go.jp/Index-j.html
国際協力機構の援助に関係する成長戦略を提示。
(ここから「国別・地域別取り組み」、「東アジア」へ入る。)
- 次のテキストの第16章を参照。
朽木昭文・野上裕生・山形辰史(2003)『テキストブック開発経済学』(新版)、有斐閣。
- 成長戦略に関しては以下の文献を参照。
秋山孝允・秋山スザンヌ・湊直信(2003)『開発戦略と世界銀行』、知泉書館。
- 小宮隆太郎・奥野正寛・鈴村興太郎編(1984)『日本の産業政策』東京大学出版会。
- 園部哲史・川上桃子(2001)「台湾における経済発展と産業立地」、『アジア経済』、アジア経済研究所、第42巻第1号。
- 錦見浩司・浜口伸明(1997)「都市化と集積」、『テキストブック開発経済学』(朽木、野上、山形編著)、有斐閣。
- Fujita,M. and J. F. Thisse (2002), Economics of Agglomeration: Cities, Industrial Location, and Regional Growth, Cambridge University Press.(空間経済学)
- Kuchiki, A. (2003), "Agglomeration of Exporting Firms in Industrial Zones in Northern Vietnam," Kagami, Mitsuhiro and Masatsugu Tsuji (eds.) Industrial Agglomeration: Facts and Lessons for Developing Countries, Tokyo, Institute of Developing Economies, JETRO.(ベトナム)
- Porter, M.E. (1998), On Competition, Harvard Business School Press.(クラスター理論)
- Stiglitz J. E. and S. Yusuf (eds.)(2001),Rethinking the East Asian Miracle, New York: Oxford University Press for the World Bank.(産業政策の導入)
- Yamada, K., A. Kuchiki (1997), 'Lessons from Japan,' L.Emmerij ed., Economic and social Development into the 21st Century, Washington D.C., The Johns Hopkins University Press.(日本の産業政策の導入)
- 空間経済学とは、都市や産業の集積形成のミクロ理論を中心として、都市、地域、国際貿易など異なった空間領域を対象とした従来の個別の分野を特殊なものとして含む、地理的空間における経済学の一般理論の構築を目指す。
- ダイアモンド・アプローチとは、クラスターの構成要素を4点で考え、この4つの要因がどのようにして企業のイノベーションに影響を与えるのかを考える。4つの要因とは、(1)要素(投入資源)条件、(2)需要条件、(3)関連産業・支援産業、(4)企業戦略および競争環境である。
- 「クラスター理論」(Cluster Theory)とは、産業集積に関する理論のうち特にPorterが唱えたダイアモンド・アプローチに限定して使われることがある。ここでクラスターとは、「特定分野における関連企業、専門性の高い供給業者、サービス提供者、関連業界に属する企業、関連機関(大学、規格団体、業界団体など)が地理的に集中し、競争しつつ同時に協力している状態」である(Porter)。
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